無駄監視へ体制整備検討 刷新会議が基本方針
政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は30日夜、官邸で第4回会合を開いた。2010年度予算概算要求の事業仕分け結果を踏まえ、年末の予算編成に向けて11項目の基本方針をまとめた。1日の閣僚懇談会で首相が各閣僚に指示する。予算の無駄や非効率を恒常的に監視する体制整備の検討も含まれる。
仙谷由人行政刷新担当相は会合後の会見で「独立した新たな監視機構を各省庁の外につくらないと実効性が上がらない」と述べ、現在は総務省の行政評価局が中心となっている監視体制強化が必要との認識を示した。
仕分け作業で無駄遣いの温床と指摘された、官僚OBが天下っている公益法人について年明けから徹底的に見直す方針を決定した。
仕分け結果は大筋で了承。首相は冒頭あいさつで「素晴らしい成果を来年度予算の中にしっかり取り込んでいくことが大変重要だ。全力を尽くす」と強調した。ただ、削減に異論が相次いでいる科学技術予算などを念頭に、予算編成過程で覆す場合は説明責任を果たすことも確認。首相は席上「政治の責任で決着をつける」と述べた。
2009/11/30 23:46
表参道 あの灯火、もう一度
2009年12月1日7時10分
東京・表参道のケヤキ並木を彩るイルミネーションが1日、11年ぶりに復活する。30日は点灯式があり、あたたかみのある黄色の発光ダイオード(LED)約63万球の光が約1キロの通りを照らした。来年1月10日まで。
1991年に始まった表参道のイルミネーションはクリスマスの季節の風物詩として知られたが、交通渋滞や街路樹への悪影響が指摘されるなどし、98年を最後に中止された。だが、LEDの導入で樹木への負担も軽くなった。そのうえ、各地でイルミネーションで飾るイベントが行われ、「全国に先駆けて始めた表参道の風景をもう一度」という声が上がり、地元商店街が復活に向けて取り組んでいた。
友人と訪れた目黒区に住む会社員安藤里絵さん(33)は「大学生の時に何度も見に来た。バージョンアップした感じできれい」と話した。
温室ガス、農水分野で7.9%削減可…でも30兆円必要
2009年12月1日7時30分
温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減する鳩山政権の目標に対して、農林水産省は削減幅の約3分の1に当たる7.9%分を農林水産分野で引き受けることができるとの中間試算をまとめた。ただし、実現のためには「金に糸目は付けない」のが前提で、最低でも30兆円が必要だという。 農水省の地球温暖化対策本部が予算的な制約を無視し、現在の技術をフル活用した場合を想定した。
最も効果があるのは、温室効果ガスの「森林・農地土壌での吸収」(3.2%)。次いで「再生可能エネルギーの活用」(2%)、「農林水産業や食品産業での排出削限」(1.7%)、「バイオマスの活用」(0.5%)、「木材利用による省エネ効果」(同)と続く。
費用の細かな内訳は明らかにしていないが、たとえば、「土壌での吸収」で3.2%分を実現するには、間伐や間伐のために必要な小規模な林道整備などに資金がかかる。「再生可能エネルギー」では、農山や漁村地域の住宅への太陽光パネル設置や、水田地帯に張り巡らされた小さな農業用水路でのミニ水力発電の実施を例示している。
このほか、全国1万5千隻のイカ釣り漁船の集魚灯を発光ダイオード(LED)に替えたり、家庭の食品廃棄物から発生するメタンガスを燃料として使ったりする案も挙げている。
政府の行政刷新会議の事業仕分けでは、多くの事業、予算がムダ扱いされた農水省。巻き返しのため、温暖化対策での貢献をアピールしようという意図も読めるが、厳しい財政事情のなかで実現の道は険しそうだ。(安川嘉泰)
09年度税収37兆円程度 円高響き減少幅拡大
2009年度の一般会計税収が37兆円程度に落ち込む見通しとなったことが1日、明らかになった。景気低迷による企業業績の悪化で法人税が5兆円台前半に急減するのが主な要因。全体の税収は当初予算見積もりの約46兆1千億円から約9兆円下振れし、1984年度(約34兆9千億円)以来の低水準となる。
財務省は週内にも最終的な見積額を固め、年内に編成する第2次補正予算で減額修正する。11月中旬の時点では38兆円前後とみていたが、最近の円高による企業業績の下振れも加味して、さらに落ち込むと判断した。
財源不足を穴埋めするために赤字国債を増発、当初予算と合わせた新規国債発行額は50兆円を大きく超える見通しで、46年度以来63年ぶりに税収を上回る異常事態となる。
2009/12/01 10:54
万博まで半年、上海厳戒態勢 数万人の武装警官投入
来年5月に開幕する上海国際博覧会(上海万博)まで11月1日で半年。現地では出展パビリオンの建設が急ピッチで進む一方、専従の武装警察部隊が警備を開始し、祭典ムードとともに緊張感も漂い始めた。中国は昨夏の北京五輪に続く一大イベントの成功に向け、万全の警戒態勢で臨む構えだ。
万博のシンボル「中国館」など各パビリオンの建設工事で土煙が上がる会場一帯。入り口では、資材を積んだトラックが出入りするたび、濃紺の制服を着た男らが身元確認を求める。治安確保のため中国当局が動員した警備要員だ。史上最多となる242の国と国際機関が参加し、過去最多の来場者 7000万人を見込む上海万博。当局は開催に当たり、上海市、江蘇省、浙江省に駐留する武装警察6部隊から数万人を動員する。 (17:21)