「天平の甍」荘厳な姿 唐招提寺金堂、「平成の大修理」完工

 奈良市唐招提寺で、約10年にわたった金堂(国宝)の解体修理「平成の大修理」が完工し1日午前、落慶法要が始まった。秋晴れのもと「開扉開眼の儀」が営まれ、約1000人が参列。装いを新たにした「天平の甍(いらか)」を仰ぎ見た。
 午前9時半、僧侶らの行列が金堂に歩み寄ると金堂正面の扉が静かに開き、堂内に鎮座する本尊の盧舎那仏坐像が姿をのぞかせた。松浦俊海長老が本尊に向かって大きな筆を振ったのを合図に、屋根両端に新調した鴟尾(しび)の覆いが取り払われ、色とりどりの散華が参列者の頭上に舞った。
 金堂が完成したのは8世紀末。大規模な解体修理は明治時代以来およそ100年ぶりで、2000年から本体工事を進めていた。本尊や千手観音立像など、堂内の国宝の仏像9体も並行して修理した。 (20:05)