パキスタン軍が武装勢力を攻撃 アフガン情勢に影響か

愛子さまリレー優勝(朝日)

 【イスラマバード共同】パキスタン軍は17日、イスラム武装勢力パキスタンタリバン運動」(TTP)の拠点、北西部の部族地域、南ワジリスタン地区に地上部隊を進軍させ、武装勢力に対する攻撃を開始したことを明らかにした。
 部族地域にはTTPとつながりを持つ国際テロ組織アルカイダや隣国アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンも潜伏、軍事訓練を行うなど「過激派の温床」と呼ばれる。アフガンでタリバン掃討作戦を続ける米国は今回の地上作戦の成果に注目しており、アフガンの治安情勢に影響する可能性もある。
 パキスタン軍はこれまでも同地区に展開したことがあったが、昨年3月に発足したギラニ政権は武装勢力との対話を開始。しかし米国などは武装勢力がアフガンに移動しタリバンの攻勢につながっていると懸念、ギラニ政権は方針転換した。
 軍などによると、同地区メスード周辺に潜伏する外国人約1500人を含む武装勢力掃討が当面の目標で、約2カ月かかる見通し。軍は戦車などで進軍、交戦などで少なくとも兵士5人、武装勢力11人が死亡した。
 住民の避難が続き、地元テレビは避難民が約25万人に上る可能性があると報じた。軍は既に約3万人の兵力を同地区周辺に展開、空爆を強化して準備を進めていた。
 TTPのベイトラ・メスード前司令官は今年8月、米軍無人機の爆撃で死亡し、ハキムラ・メスード新司令官は今月4日、報復を宣言。パキスタンでは5日以降、軍司令部や市場などで攻撃やテロが相次ぎ、市民ら100人以上が死亡した。地上作戦開始で、報復テロが激化する恐れもある。
 ギラニ首相は16日、与野党指導者や軍トップのキアニ陸軍参謀長らを集めた会合を開催、与野党は同地区での地上作戦に同意していた。
2009/10/17 23:47