中国、輸出の減少幅が縮小 9月、輸入も回復

 中国税関総署は14日、9月の輸出が前年同月比15.2%減の1159億3800万ドル(約10兆4000億円)になったと発表した。11カ月連続のマイナスだが、減少率は8月の23.4%より大幅に縮小した。輸出の先行指標とされる輸入も持ち直し、緩やかな回復基調を強める中国経済にとって最大の懸念要因である輸出の先行きに明るい兆しが出始めた。
 9月の輸入は3.5%減の1030億600万ドル。輸出と同様に11カ月連続のマイナスだが、減少幅は8月の17.0%に比べ大幅に縮小した。国内生産の回復や自動車販売の好調を背景に部品や原材料の輸入が増えている。
 中国では輸入が輸出の先行指標とみられる場合が多い。部品や原材料を輸入し、それを組み立てて欧米に輸出する加工貿易が主体のためだ。欧米経済は底打ちしたとの見方が出ており、中国沿海部の一部輸出企業ではクリスマス商戦に絡む欧米からの受注が増えている。(北京=高橋哲史) (12:48)