現役公務員、独法役員へ出向急増 一部は天下り隠しか 

 退職した国家公務員の天下りポストと指摘される独立行政法人(独法)の役員に、現役のまま出向している官僚がここ1年で急増し、今月1日時点で過去最多の102人いることが14日、各独法への取材で分かった。出向期間を終えて出身官庁に戻り即日辞職するケースもあり、一部では天下り批判を避けて実態を隠すため、あえて官庁を退職させずに出向に切り替えた可能性もある。
 鳩山政権は独法の役員への天下りは認めず、天下り役員のポストを公募で埋める方針を打ち出しているが、出向の場合は公募を実施する必要もなく「抜け道」との批判も起きそうだ。
 政府の行政改革推進本部などによると、独法役員への出向者数は、2003年10月は9人だけだったが、翌04年に38人、05年には81人に急増。昨年は85人だった。全98法人に取材したところ、ことし10月時点では、さらに増え初めて100人を超えた。計60法人に、11府省庁から出向。最多は農林水産省の25人だった。
 実際に出向者が出身官庁に戻って官僚として新たなポストに就くことも多い。ただ、各官庁ともキャリア官僚の勧奨退職年齢引き上げを目指しているため、従来は天下りポストだった独法の役員の一部を出向ポストに切り替えたとみられる。
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