世界の「飢餓人口」最悪の10億人 FAO、金融危機で深刻化

直江兼続の密状(共同)

 【ジュネーブ=藤田剛】国連食糧農業機関(FAO)は14日、金融・経済危機によって世界の食料不足が一段と深刻化したとする報告書を発表した。十分な栄養を取れない「飢餓人口」は2009年に過去最悪の10億2000万人に達すると訴えた。危機で低所得国の購買力が一段と低下し、食料購入が困難になっていることが主因。農業への投資が減り、生産が伸び悩んでいることも食料不足につながっているという。
 飢餓人口は1990年代には8億5000万人以下に減少したが、その後はじりじりと増加し、09年は前年比11%の大幅増となる見通し。
 飢餓人口を地域別に見ると、6億4200万人のアジア・太平洋が最も多く、全体の半分以上を占める。アフリカ中・南部の2億6500万人がこれに続く。
 FAOは11月16〜18日、ローマで「食料サミット」を開き、先進各国に低所得国への援助や生産国への投資拡大を要請する方針だ。 (19:13)