日本が国連に核廃絶決議案 米、9年ぶりに賛成へ

 【ニューヨーク=杉本晶子】日本政府は15日、国連総会の第1委員会(軍縮・安全保障)に核兵器廃絶への決意をうたう決議案を提出した。米国・ロシアによる核軍縮交渉を評価し、両国以外の核保有国にも積極的な軍縮を促すと明記した。同様の決議は国連総会で昨年まで15年連続で採択されたが、米国は8年連続で反対。今回は共同提案国に初めて加わり、9年ぶりに賛成に回ることがほぼ確実となった。
 草案は、(1)米ロの軍縮交渉を評価し、それ以外の核保有国にも軍縮努力を求める(2)米ロに戦略兵器削減条約(START1)の後継条約を早期に締結するよう要請する(3)米国など包括的核実験禁止条約(CTBT)への未批准国の早期批准を促す――などが柱。核関連活動を続ける北朝鮮にも安保理決議の順守を求め、6カ国協議への早期復帰を要請している。
 決議案は10月下旬にも第1委員会で採択。12月中旬にも国連総会の採決に付される見通しだ。総会決議は法的拘束力を持たないが、核拡散防止や核軍縮を見据えた国際的な機運を後押しするとみられる。 (10:32)